Ep1.歯車

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「ヤベぇ…空ッ!」 『あ、おい!?』 麻呂を安全地帯に残し、再び学校に戻る。 ドゴォォォォォオオオオオオオン また爆発。 いい加減耳が痛い。 校舎の手前、二人の人影が見えた。 一人は薄ら笑いを浮かべ、涎を垂らしながら爆弾を投げて居る…恐らく今回の件の犯人。 もう一人は… 空。 犯人に向かって走って居る。 正義感の強い空の事だ。 恐らく犯人を止めようとしてるんだろう。 これが『普通』なら良い。 痴漢とかストーカーとか強盗とか。 『普通』の欲に唆された奴なら良い。 だけど―― 奴は『狂って』いる。 それは見て分かる程に。 そして、恐らく空は気付いてない。 奴が背後から取り出した銃に。 「空ぁぁぁあああああああああ!」 俺は喉が切れるくらい叫んだ。
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