Ep1.歯車

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虚しく響いたそれは、私の胸を貫いた。 『がはッ…!?』 口から血を吐き、力無くその場に倒れる。 目の前の凶悪犯は狂った笑顔を作っている。 あぁ…挑む相手間違えたな。 そんな悠長な事を考えてる自分を嘲笑い、瞼を閉じようとした。 せめて、大好きだった拾弐郎の声が聞きたかったな。 どうしようも無くバカで、変態で、アホな奴だけど…時折、男っぽくて、困った時はいつだって支えてくれたアイツが大好きだった。 だから、田村麻呂君の告白も断った。 でも死ぬ前にアイツと付き合えて良かった。 アイ…ツの……か…彼女に…なれて…良かっ…。 ドゴォォォォォオオオオオオオン。
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