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「仮に、竜の旦那がやったことだとしても、だ。自分の部下や領地の人間を殺す為に六爪を抜く――そんな浅はかで野蛮極まりない大将なんかにゃ見えないけどね。
……真田の大将は何を信じる。独眼竜が部下に手をかけた現状か?それとも、姿を眩ましてる独眼竜自身か?」
「お館様っ!某、お館様に我が心情を申しに参りました!」
「申してみよ」
「はっ!!某は、……っ某が知る独眼竜伊達政宗殿は、自身の部下や領地を心より、命を賭けて守られる信義に満ち溢れた真の武人!かような御方が、毎夜の如く罪の無い人間を殺める等ということは、考え難いのであります!」
「………………」
「我が好敵手とあらば…尚更の事!この真田源次郎幸村が好敵手と定めし男……お館様っ!某は必ず、我が好敵手、伊達政宗殿にかけられた疑惑の念を払拭し、この甲斐に戻ります!それまで―」
「政宗は…そんなことをするやつじゃない。夢吉だって分かってる。…あいつ、俺達に見つけられた時、……脅えてた。自分で何をしたか…分からないんじゃないかな。…だから、政宗が何を思っているのか俺達が聞かなくちゃならない気がする。」
「小蛇の分際が……貴様外道振り、吐き気がする。」
――――それは、奥州での連続した、村人の謎の死。
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