ー1ー

2/8
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
二年と六ヶ月前・・・ 「もしもし!大輝さん? 私、自殺サイトで何度か話した白石美鳥(ミトリ)です。 私は今からマンションの浴槽でリスカします。どうせなら一緒にやりませんか?」 何かに決心を付けたかのように電話の向こうの美鳥は言った。 「・・・いいですね。じゃぁ俺も今からここでしますよ」 大輝は美鳥に言った。 くだらない・・・ ひとりで死ぬのが怖いから誰かを巻き込みたいだけ。 一家で心中するのも同じ。 人間は弱いから・・・ 「それでは、準備できました?」 自分の用意がてきたのか、美鳥が相変わらずの高い声で言った。 「はい。では、せーの。で・・・」 もちろん大輝の手には自分をケータイの一つだけ。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!