蒼き三つの流星の出会い

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バンッ!!! 大きな目の大男がいきなり、机を叩き立ち上がった。劉備の目の前に歩み寄ってきた。 「いいぜ。その義勇兵の話、乗ったぜ!!面白そうじゃねぇか。その志とやらを見せてもらおう。しかし、近くで見ていて、こいつは駄目だと思ったら、すぐに手を引かせてもらう。」 「…いいだろう。私の生きざまを、つぶさに見ていて貰いたい。」 劉備は目を背けなかった。 髭を蓄えた男が手を出した。 「張飛…。お前も何かを感じたか…。私は、姓は関(カン)、名は羽(ウ)、字は雲長(ウンチョウ)と申す。私も思うところにより、貴殿について行きたいと願う。」 「張飛(チョウヒ)、字は翼徳(ヨクトク)。これからは仲間だ。」 目の大きな大男も手を出していた。 「おぉ。こんな私についてきて貰えるのか。…感謝する。」 劉備は関羽から順に握手をしていった。 初めての、仲間だった。 そのやりとりを見ていた荒らくれ達が、次々に立ち上がり、そこで三十人ほどの小軍勢が出来上がったのだった。 しばらくして、関羽の知り合いである、小さな鍛冶屋だが、腕の良い職人に三人は武器を打って貰った。 劉備は、二枚重ねの剣。 関羽は大薙刀の青龍偃月刀(セイリュウエンゲツトウ)。 張飛は蛇矛(ジャボウ)という戟。 三人は郊外に出て、小さな庵に向かった。 関羽は髭を撫でながら言う。 「私達はちょうど、歳が、近い。関係でいえば兄弟でもおかしくはなかろうと、思う。義兄弟の契りをかわしてみては、どうだろうか。」 「…それは良い提案だ。私は関羽に賛成しよう。」 劉備は頬を赤らめていた。思わぬ提案に動揺を隠せなかったのだ。 「そうなると、劉備殿が長兄で、関羽が次兄となるな?よろしく頼むぜ、兄者達。」 張飛は当たり前だと、大声をあげ、豪快に笑った。 「我ら三人、生まれた日は違えども、死ぬ時は、同じ日、同じ時、同じ場所であることを願わん。」 三人は自分の武器を片手に、小さな杯で、一杯ずつの酒を飲み、誓い合ったのだった。 桃の花が散りゆく庭園で…。
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