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諦めた様な笑いを漏らす主に従って、リリィは大きく旋回する。
その遥か先には、お伽噺の魔王城みたいに黒い、大きな城が建っていた。
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『リリィ、逃げて!!』
場面は再び変わり、フレイヤと五人の人間が、全壊した城の上で闘っていた。
解るのは、フレイヤも五人の人間達も、深い悲しみを表情に浮かべている事だ。僧侶らしき女性に至っては、涙を流しながら詠唱している。
『大丈夫、フレイヤ………リリィは傷つけないから………でも、ちょっと眠ってて貰おうかな』
神々しい光を放つ剣を掲げる銀髪の男が俺とリリィに手を向けると、あらがいがたい眠気が襲ってきた。
『あなた、リリィに――し―の!!』
『た――むって――――だけさ。邪魔―――ところで、き―――ふ――んさせて―――』
そこで意識は途切れる。
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