プロローグ

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そこにリリィの亡骸は無い。たぶん、全て俺に吸収されたんだろう。 俺は近くから大きな岩を転がして中央に運び、持ってきた道具でこう刻んだ。 《黒龍リリィと、その主フレイヤ=グラディウスの冥福を心より祈る》 簡単な墓だが、勘弁してほしい。俺にはこのくらいがせいぜいなんだよ。 ~~~~~~~~~~~~~~~ 「兄さん!!家抜け出すなよ!!」 「お兄ちゃんの馬鹿!!」 こっそり部屋に戻ろうと思ってたら、家の前にいた兄妹に罵倒された。流石にこれは俺が悪いな。 「すまん、散歩がしたくてな」 「散歩に工具が必要なの?」 「………腹減ったな」 「「誤魔化すな!!」」 ギャーギャーうるさい兄妹を引き連れて俺は家に入る。全く………近所迷惑じゃねぇか。 ったく、面倒だな………
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