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そこにリリィの亡骸は無い。たぶん、全て俺に吸収されたんだろう。
俺は近くから大きな岩を転がして中央に運び、持ってきた道具でこう刻んだ。
《黒龍リリィと、その主フレイヤ=グラディウスの冥福を心より祈る》
簡単な墓だが、勘弁してほしい。俺にはこのくらいがせいぜいなんだよ。
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「兄さん!!家抜け出すなよ!!」
「お兄ちゃんの馬鹿!!」
こっそり部屋に戻ろうと思ってたら、家の前にいた兄妹に罵倒された。流石にこれは俺が悪いな。
「すまん、散歩がしたくてな」
「散歩に工具が必要なの?」
「………腹減ったな」
「「誤魔化すな!!」」
ギャーギャーうるさい兄妹を引き連れて俺は家に入る。全く………近所迷惑じゃねぇか。
ったく、面倒だな………
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