プロローグ

7/22
前へ
/403ページ
次へ
最後には声が震えてしまっているドラゴンは、目を開いて真っ直ぐに俺を見る。 『お前………泣いているぞ』 「え?………ああ、泣いてるな」 ドラゴンの言葉に、何かがグッときたらしい。そんなに感動しないタイプなんだがな 『同情では………ではない………ようだ。人間……我はお前の様に………優しい人間は嫌いじゃない。………頼みがある』 黙って俺に撫でられていたドラゴンが、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。恐らく、そろそろ限界が近いのだろう。 「頼みたい事……?何だよ、余程無理難題じゃない限り、何とかしてやるよ」 そう返してやると、ドラゴンは俺に顔を擦り付けながら言う。
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14833人が本棚に入れています
本棚に追加