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最後には声が震えてしまっているドラゴンは、目を開いて真っ直ぐに俺を見る。
『お前………泣いているぞ』
「え?………ああ、泣いてるな」
ドラゴンの言葉に、何かがグッときたらしい。そんなに感動しないタイプなんだがな
『同情では………ではない………ようだ。人間……我はお前の様に………優しい人間は嫌いじゃない。………頼みがある』
黙って俺に撫でられていたドラゴンが、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。恐らく、そろそろ限界が近いのだろう。
「頼みたい事……?何だよ、余程無理難題じゃない限り、何とかしてやるよ」
そう返してやると、ドラゴンは俺に顔を擦り付けながら言う。
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