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ドラゴンの切なげな声に、俺はドラゴンの限界を悟った。俺は最後の瞬間まで撫でてやろうと、黙ってドラゴンの傍らにいる。
『ねぇ…………あなたの名前は?』
あぁ、そう言えば名乗ってなかったな。
「クロード=ノインズだ」
『……クロード…先に謝るね。たぶんあなたは、大きな力に振り回される。これは私の我が儘、恨んでくれても構わない』
リリィはずいぶん饒舌になったが、無理してんだろうな。てかお前、今から何する気だよ。
「大丈夫、寿命はそんなに変わらないから…………《力の継承を》」
リリィが呟くと、リリィの身体から漆黒の霧が発生し、俺に殺到する。
そしてその霧が俺に触れた瞬間、俺の全身を激しい痛みが襲う。
「うあぁぁぁあ!!!」
『ごめんね、クロード…………さようなら、良い人生を』
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