「 LOVE 」

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「ねぇ!私、お腹減っちゃったぁ!」 そう言って小百合が大きめに言う。 皆は振り返る。 「食べてい?」 小百合はそう言って笑う。 「おい、おふくろ…今大事なとこ…」 「だって、結月ったらダラダラ 喋ってるんだもん… 早く赤ちゃんの名前言えばいいのにさ…」 結月の顔は強張って引きつって来る。 真木は苦笑いして焦っている。 リコも苦笑いしている。 「挨拶くらいしたっていいだろうが?」 「はいはい、解ったわよ。 で、赤ちゃんの名前なに?」 小百合がそう言うと結月は小百合をより睨む。 「まぁまぁまぁ!小百合さんは いつもこんな感じじゃん!ね?」 翼はそう言って結月を静めようと笑う。 小百合は特に何も気にしていない様子だ。 結月は飽きれて小百合を睨んでいる。 「ホント!マイペースだよ。ったく…」 「まぁまぁ…ユヅいいじゃん。ハハ…」 リコは苦笑いする。 すると…響は何気なく目の前にあったナゲットを口に放り込む。 「ぁ!響ちゃん、何食べてるの?」 穂のその声で皆は響を見る。 「ぁ…腹減って…」 「まだ結月さんが大事な発表するとこなのに…」 響は首を傾げ結月や皆を見る。 結月は顔をまた顔を引きつらせる。 「あ、あそこにも居たな。 マイペースなメンズが…」 結月はそう言って苦笑いする。 「アハハハハ~~! と、とりあえず…結月…! 先に食べ始めようか?ね? 慎ちゃんの手料理が美味しそうだから みんなお腹が減って来ちゃったかな? ハハハ…!っていう事で、僕ちんが 改めてまたタイミング見て指揮るから! ね?結月…」 すると結月は隅の方へ行き皆に背を向け肩を落とす。 翼と龍之介と悠は悪戯げに笑っている。 そして…わざと放って皆と食事を始める。 リコは笑って、いじけている結月を見ている。 そんな中、皆はもうわいわいと食事を始めている。 ユヅったら子供みたいにいじけてる。 そんなに正式に発表したかったのかな? ユヅって変なとこにこだわるんだよな…。 歳をとったら、こだわりの強い頑固なおじいちゃんになりそう…。 リコはそんな事を考えながらクスッと笑う。
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