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その頃…
あのプールのあるbarでは茜が荒れたように酒を呑んでいて穂は心配そうに茜を見つめている。
響は飽きれ顔で酒を呑んでいる。
「茜ちゃん!
もうそのくらいにしとこう。ね?」
穂がそう言うと茜は取り上げようとしたグラスを奪い返す。
「うるさいなぁ!私は呑みたいの!
帰りたきゃ帰りなさいよ!」
「うー。茜ちゃんてば……
響ちゃんもなんとか言ってよ!
さっきっから黙々と一人呑んでてさー。
お通夜じゃないんだから!」
穂がそう訴えるが響は黙ったままだ。
すると茜はグラスをテーブルに置き響へと向き口を開く。
「ねぇ響!なんでリコさんに
キスしてたの?まさか惚れたの?」
茜がそう言うと穂は苦笑いしている。
「茜ちゃん!俺も聞きたくても
聞けなかった事をそんな簡単に…!」
穂はそう小さく言う。
茜は響の横顔を見つめている。
「ねぇ響!答えてよ!」
すると響は口を開く。
「あぁ。惚れたのかもな。」
響がそう言うと穂は驚く。
茜も驚くが笑う。
「へぇ~。ならさ、とっとと
あの人とくっついちゃってよ。
響なら顔もいいし、すぐに
落とせるでしょ?」
茜がそう言うと響は茜を鋭く見る。
「おまえさ変わったな。」
「ぇ?」
響は立ち上がる。
「俺…帰るわ。穂…茜の事送れよな。
じゃ!」
響はそう言って歩いて行く。
「ちょっと響ちゃん!」
穂は立ち上がる。
茜はふて腐れている。
穂は仕方なさそうに留まり茜へと視線を移した。
「茜ちゃん…俺らもそろそろ帰ろう?」
穂がそう言うと茜は穂を睨む。
「イヤ!私はまだ呑みたいの!
帰りたきゃ一人で帰れば?」
「もーう!それは出来ないよぅ。
茜ちゃんを一人では帰せないでしょ?」
「ならぁもう少し付き合ってよ!
さっ呑むぞー!」
茜はそう言って笑う。
穂は肩を落とす。
そして…響は外に出て雨で濡れた道路を歩きながらリコに電話を掛けた。
しかしその頃…リコは深い眠りに着いていた。
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