求愛

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翌朝… 今日、私もsunsetの二人もオフで 私は珍しくこの時間、家に居る。 今日が休みだった事にホッとしてしまう。 リコは朝食を食べ終え紅茶を飲みながら ふと時計を見る。 時計の針は午前9時を差している。 リコはゆうべの事を思い出す。 響にキスをされ、その直後に結月と茜のキスシーンを目の前で見てしまい…終いには悠とのあのキス…。 リコは唸りながら頭を振り立ち上がる。 「だめだ!気分転換しに出掛けよっと。」 リコはそう呟き動き出す。 その頃…結月は茜と宿泊しているホテルで携帯を片手に中々、帰って来ない茜に電話を鳴らし続けている。 しかし何度鳴らしても茜は電話に出ない…。 「ったく…あいつ何してんだ?」 その頃…茜は穂とカフェに居た。 テーブルの上にある携帯がずっと鳴っている。 画面には結月と出ている。 「茜ちゃん?出なくていいの?」 穂にそう言われても茜は無視している。 そして留守電が入り茜はメッセージを聞く。 『茜…今何処だ?話がしたい。 連絡くれ。』 結月からのメッセージを聞くと茜は何かに感づいた顔をして携帯をテーブルに乱暴に置いた。 穂はそんな茜を心配そうに見つめている。 茜はどこか不安げな顔をしている。 「ねぇどうして出ないの? 結月さんからなのに。」 穂がそう言うと茜は穂を睨む。 「結月だからよ! どうせ嫌な話に決まってる。」 「へ?」 「声で解る。」 「………?」 茜は遠くを見つめながら寂しそうに言う。 「私の知らない結月の声がした。」 穂はそう言った茜の言葉の意味が解らず不思議そうに茜を見つめている。 「けど…私はこのまま引かない。」 「………?」 茜は何かを企む様な顔をしている。 穂は真剣な顔で茜の強気な顔を心配そうに見つめる。
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