信愛

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リコと結月がベランダでキスを交わしていると訪問者を知らせるベルが響く。 二人はハッとして離れる。 「誰だ?」 結月がそう言うとリコは首を傾げる。 結月は玄関へと行く。 すると何やら話し声がする。 「遅いわね?」 小百合の声がする。 「小百合ママ!やっぱりお邪魔だったんじゃ? まさに二人はお取り込み中とか?」 結月は小百合と翼の声がしやれやれとした顔になりドアを開ける。 「あ!結月ー!来ちゃった!」 翼はそう言って笑う。 「小百合ちゃんも居まーす!」 小百合はそう言って笑う。 「ごめん…結月…」 悠はそう言って顔をしかめている。 「おまえら……」 結月も顔をしかめている。 「小百合ママがどうしてもって言うからさ。 あ…龍も居たんだけど店あるから 来れなかったんだぁ!残念だよね?」 翼はそう言って笑っている。 「で…なんの用だ?」 結月は小百合を睨む。 すると小百合は結月の後ろに現れたリコに気付き笑顔になる。 「リコちゃーん!」 小百合はそう言ってリコへと駆け寄る。 「ぁ…うわっ…」 リコは抱きついてきた小百合に驚く。 リコは抱き締められた肩越しで結月を見る。 結月は苦笑いして首を傾げる。 リコも笑う。 「会いたかったよーぅリコちゃーん!」 「お義母様、私もです!」 二人は笑い合いはしゃぐ。 悠は結月の肩を叩く。 「ごめんね?小百合さんに弱くて…つい…」 「解ってる。目に浮かぶよ。」 結月は笑う。 「うわぁ!バーベキュー中? 結月、食べてい?」 翼はベランダから叫ぶ。 「あーもー食え食え! また始めるか。」 結月はそう言って笑う。 突然の御義母様達の訪問に驚いたけど、やっぱり皆が集まると楽しいな…。 リコはそう思いながら皆を見つめている。 その頃…東京では響と千春が血相を変えて救急車のサイレンが鳴り響く病院に走って入って行く。 穂は一人処置室の前で泣きそうな顔をしている。
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