信愛

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そして…悠の車が屋敷に辿り着くと前には真木の運転する車が止まっていた。 「ぁ…お義母様…真木が…」 助手席でそうリコが言うと後部座席から小百合は少し身を乗り出す。 「ホント…」 小百合はそう言って車から降りる。 翼は一人爆睡していてリコと悠は翼を車内に残したまま車から降りた。 「ダーリン♪」 小百合は真木へと駆け寄る。 真木は照れ臭そうに抱きついてきた小百合の肩を抱く。 「結月とリコちゃんが やっとまた結ばれるの!」 「はい。先程、御義母様から 連絡頂きましたよ。 本当に良かったですね!」 真木はそう言って小百合を見た後…悠と歩いてきたリコに視線を移す。 「リコ様!」 真木がそう言って笑うとリコも照れ臭そうに笑う。 「さっ!お母様、待ちくたびれてるわ。 行きましょう!」 小百合はそう言って真木と腕を組ながら歩いて行く。 悠は笑ってリコに言う。 「さぁリコも!行きな?」 悠がそう言うとリコは首を傾げる。 「悠くんは?」 「俺は翼を起こしてから行くから。」 「ぅ…ん。解った。」 「結月も待ちくたびれてるよ。 早く行ってあげな。」 「うん。じゃぁ先に行ってるね。」 「うん。」   悠は笑って手を振る。 そしてリコが玄関へと小百合達と入って行くのを見届けると悠は優しく笑う。 「今度こそ離れちゃだめだよ。」 悠はそうそっと呟くと車に乗る。 そしてエンジンを掛けて車を発進させる。 後部座席では翼がボソボソ寝言を言う。 悠はクスッと笑う。 玄関では、ひばりと結月がリコ達を出迎えていた。 リコと結月は目が合い少し互いに照れ臭そうだ。 「お帰り。」 ひばりがそう言うと、ひばりはリコだけに視線をやる。 「リコ…お帰り。」 ひばりがそう言って微笑むとリコは目を潤ませながら頷く。 「た…ただいま…御祖母様。」 リコがそう言うと、ひばりは嬉しそうに笑いリコを抱き締める。 小百合と真木は笑っている。 結月は一人、首を傾げ眉間にシワを寄せている。 そして咳払いをする。 すると、ひばりとリコは離れて結月を見る。 小百合と真木も結月を見る。 「どうした?結月…」 ひばりがそう言うと小百合はクスクス笑い出す。
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