誇り

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「ユヅー!起きて!」 朝の光りが差し込む部屋でリコはベッドで眠る結月を起こしている。 「んー」 結月は眠そうに声を漏らす。 リコは仕事に行く用意をしながら忙しそうにいている。 そしてベッドに腰掛ける。 「私…もう行くからね? ユヅも早く起きなよ?」 リコはそう言うと結月は布団から手を出しリコの手を掴んだ。 「………?」 すると結月はリコの手を引きベッドに引き寄せる。 そしてリコを抱き締める。 「ちょっと!遅刻しちゃうでしょ。」 リコがそう言うと結月は悪戯気に笑う。 「なぁ朝早くね?」 するとリコも悪戯気に笑う。 「そお?ほら離して。」 「やだ。離したくない。」 「もーう!これでも一応sunsetの マネージャーなんだからね?私。」 「ははは。そうだった。」 結月はそう言うと仕方なさそうにリコを離す。 「じゃーね!行ってきます! ユヅも遅刻しないようにね。」 リコはそう言って足早に部屋を出て行く。 結月は欠伸をしながら呑気に目覚まし時計を見る。 「遅刻って…まだ早過ぎだ………ん?!」 そしてハッとして飛び起きる。 「やば!」 結月は慌ててベッドから降りる。 部屋の外ではリコがクスクス笑っている。 そして歩き出す。 私とユヅはまたこの豪邸で二人で暮らし始めた。 二人で暮らし始めて三日目の朝… なんだかまだ夢をみているみたいで、この夢が覚めちゃうのではないかと少し不安になったりもする。 だけど私達は仕事以外の時間は極力共に過ごしながら離れていた時間を取り戻そうとしていた。 家の中で結月はシャワーを浴びている。 「ったく…起こすなら もっと必死に起こせよ…。」 結月はそう呟きながら急いでシャワーを浴びている。 リコはバス停まで来るとバスを待ちながら携帯を見る。 麻子から送られた写メを見てクスッと笑う。 そのメールには麻子と敦志と颯太の写真が貼り付けられている。 「かーわい!」 リコはそう言って微笑む。 するとバスが来てリコは携帯をカバンにしまいバスに乗り込んだ。
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