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夜になりリコと結月は正装し、ひばりが待つLuna,Princeのホテルの中にあるレストランへやって来た。
店員に案内されリコと結月は奥の個室の扉の前で立ち止まる。
店員が扉を開けるとそこには、ひばりと小百合と真木が席に座ってこちらを笑顔で見ている。
「お義母様!」
「真木…!…お、ヤジ…」
リコと結月は小百合と真木も居たことに少し驚く。
ひばり達は笑っている。
「お母様のとこに寄ったら
結月達と食事に行くって言うから
着いて来ちゃった。」
「鼻が利く娘だよ、本当…」
ひばりはそう言って呆れたように笑う。
「ほら座れ二人とも。」
リコと結月は頷き席に着く。
「リコちゃん、今日は飲もうね。」
小百合はそう言って目の前に座ったリコに言う。
「あんまり飲ますなよな。
こいつも酒癖悪いから。
こいつも!」
結月がそう言うと小百合は少しふくれっ面になる。
「酒癖悪くて悪かったわね。
いいもん、私は真木が
介抱してくれるから~。」
そう言って小百合は真木へと向く。
真木はタジタジな様子だ。
ひばりはやれやれとした顔で小百合と結月を見る。
そしてリコへと視線を移す。
「リコ…此処でもう一度
おまえと食事がしたくなってね。
初めておまえと結月を
引き合わせたこのホテルで。
懐かしいだろ?」
リコは笑って頷く。
「はい!懐かしいです。」
真木も懐かしそうに微笑む。
「あの日…すぐそばの通りを出た所の
屋台でおまえを偶然見掛けた。
そしていつの間にかおまえの話に
耳を傾け聞いていた。
親を亡くして居ながらも懸命に
真っ直ぐ生きて来たんだと
そう思ったら声を掛けて居た。」
皆は、ひばりの話を真剣に聞いて居る。
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