希望

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そして家族団欒な食事会は遅くまで続き他愛のない話で盛り上がり、みんな凄く笑っていた。 飲み過ぎてしまった私とユヅはそのままホテルに泊まることにした。 真木と御義母様、御祖母様もみんな今夜は同じホテルに泊まることになった。 リコはシャワールームから髪をタオルで拭きながらバスローブ姿で窓から夜景を見ている結月へと行き隣に並んだ。 「いい夜だったね。 なんか凄く楽しかった。」 リコがそう言うと結月は頷き、そして語り出す。 「このホテルさ俺が生まれた年に オープンしたんだ。」 「え、そうなの?!」 「あぁ。ここは宇佐美家のホテルの中で 3番目に出来たホテルで、けど1番広く 今じゃこのホテルが主流になってるだろ?」 「うん…」 「で…ルナ、プリンスって名前は 結月の”月”から来てる。 御祖母様と御祖父様が考えた ”月の王子”って意味らしい。 なんか照れるよな。 そういう意味を込めたホテルらしい。 だからこのホテルで、おまえと 出会えたんだって思ったら… なんか鳥肌もんだなって、さっきふと思った。 けど俺、昔からこのホテルがなんか 気恥ずかしくてあまり好きには なれなかったんだ。けど今は違う。 不思議とありがたいって…幸せ者だって そう今は思う。だから此処でおまえと 出会えた事、素直に嬉しい。」 結月はそう言いリコを見つめる。 「そっか。月の王子なんて素敵だね。 ユヅにはもったいないくらい。」 リコがそう言い笑うと結月は少しリコを睨む。 そしてリコを後ろから抱きしめ二人は夜景を眺め出す。 「私も初めて此処に来た夜こうして 一人窓から夜景を見てた。 あの時は、こんな風にユヅとこの夜景を 見る日が来るなんて思いもしなかったよ。 なんか不思議だね。」 リコはそう言って笑う。 二人は互いを見る。 そして口付けを交わす。 結月はリコをお姫様抱っこしベッドまで運ぶ。 結月は優しくリコの唇にキスをする。 すると今度はリコから結月の頬を引き寄せキスをして来た。 結月は少し驚く。リコは笑う。 結月も笑い、またリコへとキスをする。 二人は抱きしめ合って深いキスを繰り返す。 その頃ひばりは自分の泊まった部屋のベッドの上でリコと結月の結婚式でのツーショット写真を優しく微笑みながら眺めている。 その少し離れたベッドでは小百合がスヤスヤ眠っていて、ひばりはそんな小百合を見て優しく微笑む。
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