さよなら, ひばり御祖母様

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その日の夜… ひばりの愛したLuna,Prince,Hotelで通夜が行われた。 喪服姿で悠と翼と龍之介は駆け付けた。 喪主である結月は次から来るひばりの知人達に頭を下げ毅然とした態度で出迎えている。 「結月、頑張ってるね。」 翼がそう言うと龍之介と悠は頷く。 「あぁ。きっと歯食いしばってるな、ありゃ。」 龍之介がそう言うと翼と悠は少し笑う。 「俺達で少し代わってあげようよ。」 悠がそう言うと龍之介が言う。 「素直に聞くかね?」 「頑固なやつだからね。」 三人はそう言いながら結月へと行く。 「よ!」 翼がそう言うと結月は三人に気付きホッとしたのか涙を浮かべる。 「大丈夫か?」 龍之介がそう言うと悠が続く。 「喪主の先輩として何なりと…」 悠がそう冗談混じりに言うと結月は笑う。 「悠わざわざ群馬から…」 「群馬はそんな遠くないよ。」 悠がそう言うと結月は泣きそうになる。 「結月、挨拶も大事だけど 少し休憩しなよ。 これから長いんだから。 明日の葬儀だってあるんだし。 ちょっと風にでも当たって来い。」 翼がそう言うと結月は少し考え込む。 「けど…俺、喪主だし。」 「喪主だって少しくらい休んだって 誰も文句言わねーよ。」 龍之介がそう言うと真木がやって来る。 「結月さん、休まれて下さい。 此処は私に任せてください。 小百合様も落ち着かれて 今、参られますから。」 「そうか?」 「はい、お任せ下さい。」 真木がそう優しく笑うと結月も笑う。 「じゃぁ頼むな…親父。」 結月はそう言い翼たちと歩き出す。 「そうだ、リコちゃんは?」 翼がそう言うと結月は答える。 「あいつなら、たぶん親父さんが 着く頃だからって見に行った。 控え室かな。」 悠は少し心配している。 控え室 ホテルの部屋を控え室として設けた部屋で護は喪服に着替え終え荷物を片付けていた。 そこへドアがノックされドアを開けると結月が顔を出す。 「あー結月くん。この度は急なことで…」 「遠くから、ありがとうございます。」 「いーや、遅くなってすまなかったね。」 結月は首を振る。 「あの、リコは?」 「あーうん…。一人になりたいとかって… どーこ行ったかなリコのやつ。」 「そうですか、その辺、探して来ます。」 結月はそう言い頭を下げ部屋から出て行く。
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