聖夜の誓い

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そして結月と真木はリコの居る病室までやって来る。 リコがベッドで体を起こし座って小百合と話をしていると病室のドアが開く。 すると血相を変えた結月が現れる。 「リコ…」 「ユヅ…」 リコが笑うと結月はそのリコの笑顔を見てホッとした顔をするとリコへとやって来て何も言わずリコを抱きしめる。 小百合は笑う。 「ユヅ?」 結月はリコを抱きしめたまま何も言わない。 「ユヅ…?」 「びびらせんなよ。」 「ごめん…」 真木と小百合は温かく二人を見つめている。 結月はリコを見る。 「大丈夫なのか?どうしたんだよ?」 「うん…あのね…貧血みたい…」 「貧血?な、そうか…ただの貧血か。 びびらせんなよホント…」 結月がそうホッとして体の力を抜くと小百合と真木はニコニコ何やら笑っている。 そしてリコを見て何かを言えと合図する。 リコは頷き結月を見る。 「ユヅ…それでさ…貧血はまぁ 貧血なんだけどね…」 「なんだよ?」 「その…私…どうやら居るみたいなの。」 「居るって…何が?」 結月は首を傾げリコを見つめる。 するとリコは自分のお腹を触る。 「居るみたい…ここに…」 結月は思考をフル回転させている。 「赤ちゃん…居るみたい…」 リコがそう言うと結月はびっくりした顔をし固まってしまう。 「やったわね、結月!でかしたわよー!」 「おめでとうございます。」 結月はまだ信じられないという顔でリコを見つめている。 「え?」 リコは笑っている。 「だから…赤ちゃんできたの。私…」 リコがそう言うと結月はまたもや、目を丸くし驚いている。 「ちょっとユヅ?」 リコは笑って動かない結月の頬に触れたり顔の前で手を振る。 「やだこの子ったら驚き過ぎて 固まっちゃった?」 小百合がそう言って結月を覗き込む。 「固まってねーよ。」 結月がそう小百合に言う。 「あ、動いた。」 小百合は笑う。 お母ちゃん… 私…赤ちゃんができたよ。 御祖母様… ユヅとの赤ちゃんができました。 ここに新しい命が宿りました。
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