守りたいもの

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そこへまた扉が開き、悠と龍之介が現れる。 「翼、声でけえよ。」 龍之介がそう声をかけると悠が続く。 「ここは病院だよ。」 リコと結月は二人を見る。 「龍!」 「悠くん!」 悠と龍之介は病室へと入る。 「どうした?おまえたち…悠まで…」 結月がそう言うと悠と龍之介が結月を見て笑う。 「天下の宇佐美結月が父親になったって 聞きゃ来ない訳にはいかないだろ?」 「え…龍たち知ってたのか?」 結月がそう言うと悠が答える。 「ゆうべ、小百合さんと親父さんが 龍の店に飲みに来たらしい。 で、すぐ俺にも連絡くれてさ。」 悠がそう言うと翼はムッとし出す。 「えー?なんで俺にはくれないんだよ?」 翼がそう言うと龍之介が言う。 「ゆうべ何度も電話してたし… 今朝もおまえ、やっと電話に出たと 思ったらリコちゃんが倒れたって 言ったら最後まで話聞かず切っただろ?」 すると翼は苦笑いする。 「あ、そっか…ハハハ… ちょっと慌てちゃって…? やだ僕ちんたら…」 「全く…」 龍之介は呆れたように笑う。 みんなも笑う。 「けど…おふくろ達あの後… 飲みに行ったなんて… 龍…迷惑かけなかったか? おふくろのやつ…。」 結月がそう聞くと龍之介は笑う。 「そ、そうだな、小百合さん… いつもより増して激しかったぞ。」 「わ、わりー。」 結月は大体想像が付いたのか申し訳なさそうに肩を落とす。 龍之介は笑う。 悠はリコへと行きリコを見る。 「リコ…おめでとう。」 「悠くん、ありがとう。 朝…こっちに?」 「うん、少し前に着いたところ。 親友二人に赤ちゃんできたって聞いたら お祝いしたくて、休みだったし来ちゃった。」 「悠くん…ありがとう。」 リコはそう言って笑う。
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