守りたいもの

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そして…翌日、私と結月は群馬にいるお父ちゃんに妊娠の報告をしに向かった。 お父ちゃんのお店に入るとなぜかマー子と颯太とおじさんまで待っていた。 「おうリコ久々だな。 元気にやってたか?」 貫一がそういうと麻子が続く。 「リーコが来るって言ったら 俺も行くって父さん聞かなくてさ…。」 そこへ結月も入って来る。 「おう!結月くん!久々だな。」 「あ、おじさん、お久しぶりです。」 そこへ接客を終えた護もやって来る。 「よく来たね。運転疲れただろ? コーヒーでいいかい?」 「お義父さん、葬儀の日は 色々とありがとうございました。」 「いいや、何も手伝えずすまなかったね。」 「いえ。」 すると貫一は結月へと歩み寄る。 「育てのおばあさんが亡くなったってな。 気を落とさずにな。 リコ!おまえがしっかり支えんだぞ。」 「う、うん!」 すると麻子が言う。 「そんなの父さんが言わなくても 解ってるよ。ねぇ?リーコ。」 「いいだろ、言ったって… まーったくおまえはいちいち ホント母さんに似てきたなぁ。」 「父さんがぺちゃくちゃ喋りすぎんのよ。」 二人は痴話喧嘩を始める。 そんな二人を笑ってリコ達は見つめる。 「さぁさぁ結月くん、座って。」 護はそう言ってカウンター席へと促す。 護は二人にコーヒーと紅茶を差し出しながら聞く。 「それで…今日はどうしたんだい? 何か話があるって言ってたけど。」 護がそう言うとリコと結月は顔を見合わせ少し照れたように笑う。 そして…リコと結月は護を見つめる。 「あのね、お父ちゃん… 私、赤ちゃんができたの。」 すると護は驚き言葉を失う。 「ちゃんと籍を入れる前だと言うのに 申し訳ありませんが、すぐにリコさんと 正式に結婚したいと思っています。」 護は、ただただ止まったままだ。 「お、お父ちゃん?聞いてる?」 「あ、う、うん。ちょっと びっくりしちゃって。」 結月は真剣な顔をし立ち上がる。 護はまたハッとし結月を見る。
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