7105人が本棚に入れています
本棚に追加
/387ページ
そして…その日の夜、私とユヅは千春さんに会いに東京まで戻って来た。
千春さんの行きつけであるbarへ行くと千春さんはもうすでに来ていた。
カウンター席から千春さんが私達に手を振る。
「こっちこっち!奥、行こうか。ね?」
千春はそう言って席を立った。
千春とリコと結月は奥のソファ席で座りリコと結月が注文したドリンクが届いた。
「あれ?リコちゃんソフトドリンク?
なんでよ?今夜はそのつもりで
私を呼んだんじゃないの?」
千春がそう言うとリコは苦笑いする。
「実はさ千春…」
結月がそう切り出すと千春は結月を見る。
「リコ…子供ができた。
だから酒は呑めない。な?」
結月がそうどこか照れているのを隠すように言う。
千春はキョトンとしている。
「その報告がしたくて今日
千春を呼び出したんだ。」
結月がそうまた言うと千春は驚いたような顔で少し黙った後、急に笑顔になる。
「ちょっと…ホント~?
リコちゃん妊娠したの?
やだ!やったじゃない。」
千春がそう喜ぶとリコは少しホッとした顔をする。
そんなリコを横目に結月は見て笑った。
「だから言ったろ?
千春は絶対、喜ぶってさ。」
リコは頷く。
千春は首をかしげ二人を見る。
「ん?なに?」
「いやさ、リコのやつ仕事のこと
気にしてたんだ。
まだまだsunsetがこれからって時だから
妊娠したら仕事はどうなるのかって。
途中で投げ出したくないし
辞めたくもないしで…こいつなりに
色々ない頭で考えてたみたいだぜ。」
「な、ない頭って…ちょっと!」
リコは結月を睨む。
最初のコメントを投稿しよう!