7104人が本棚に入れています
本棚に追加
/387ページ
そして…年が明けてからあっという間に月日が経ち季節は春が訪れた。
4月ー。
私も妊娠6ヶ月目に入り少しお腹も出てきてお腹に赤ちゃんが居る実感というのを日々噛み締めていた。
リビングのテレビにケーキのCMが流れる。
美味しそう…
いかんいかん!
甘いものは我慢だ!
すると結月とsunsetのあのCMが流れる。
「あ!パパですよ~。」
リコはそうお腹をさすって画面の中の結月を見る。
すると玄関のベルが鳴る。
「パパだ~!」
リコはそう言い玄関へと行く。
リコが玄関の扉を開けるとそこには小百合がいた。
「お、お義母様…?」
「へへへ。来ちゃった。今日は
ナツさんの所へ健診に行く日でしょ?」
「はい…そうですけど…?」
「今日は赤ちゃんの性別が
解るかもしれないって言うから
一緒にナツさんとこ行きたくなって。」
リコは笑う。
「じゃぁユヅ来るまで一緒に待ってましょう。」
「じゃーん!今人気の店のクッキー。」
リコは一瞬、目を輝かせるが笑顔を崩す。
「あら…?相変わらず結月…
体重管理とか言って
厳しくしてんの?」
「えぇ、まぁ…」
リコは苦笑いする。
「まぁね…確かに妊婦には体重管理とか
大事だけどさ~あれもダメだこれも
ダメだってされるとストレスの方が
よくないって事もあるからね。
あの子その辺のこと解ってんのかしら?」
小百合はそう言ってからリコを見る。
「リコちゃん!私は妊婦の気持ちは
分かるつもり。味方だからね!
あとこれ赤ちゃんの服とおもちゃ…」
小百合はそう言ってスーツケースにびっしり入ったベビー用品を見せる。
その量にリコは驚く。
「お義母様…またこんなにたくさん…
いつもすみません。」
「ついつい買っちゃうのよね~。
困ったわよね私も…」
小百合は笑っている。
そこへ結月が帰って来る。
「おい、フリマでも開く気か?」
リコと小百合は結月が帰って来たことに気付かず驚く。
「ユヅ…おかえり!」
リコがそう言うと結月は小百合の持ってきたスーツケースの中身をやれやれとした顔で見ている。
「ついついベビー用品売り場に行くと
買っちゃうのよね~。」
「まだ男か女か分かんないんだぞ!
どうすんだ?これなんかピンクに
リボンじゃないか。」
「だって…あんたが男だったから…
ついつい女の子のものに目が
行っちゃうんだもん。」
小百合はそう言って楽しそうに笑う。
最初のコメントを投稿しよう!