翼の恋

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そして…一週間後のある朝…。 リコと結月が寝室のベッドで寝ていると玄関のチャイムが何度も鳴り響く。 リコは目を覚まし枕元の時計を見た。 時計は午前7時半を指している。 誰…? すると結月も目を覚ます。 「うるせーなぁ…誰だよ…。 今、何時だ?」 「7時半…」 「まだ寝てから4時間しか経ってねー。」 結月はそう言って眠そうに髪をグシャグシャと弄る。 そうユヅは昨夜、新しい仕事のスポンサー達との飲み会で徹夜明けだったのだ。 「誰だろ?」 リコがそう言うと結月は首を傾げるもベッドから降りる。 リコも後を追う。 「どうせ、おふくろだろ… こんな迷惑行為、平気で出来るやつ おふくろくらいだ。」 二人は下へと降りて玄関までやって来る。 「うるせーな、鳴らすなよ!」 結月がそう言って玄関を開けると、そこには泣きながら翼が立っていた。 リコと結月は驚く。 「翼さん?」 「リコちゃーん!」 翼は泣いている。 「もう一人いたわ…。 おふくろ同様なやつが…」 結月はそう言って苦笑いする。 「で、どーしたんだよ?」 翼がそう言うと翼は一度、結月を見る。 「結月、ごめん!」 「あ?」 すると翼は泣きながらリコにしがみつく。 「ちょ、おーい!」 結月は嫉妬し翼を離れかせようと引っ張る。 「結月、ごめんって言ったじゃん! 今だけ許して?お願いだよ~!」 翼はそう言ってリコから離れようとしない。 「ダメだ。離れろ。おい!」 リコはやれやれとした顔をしながら苦笑いしている。 「翼さん、もしかして… 彩笑さんと何かあったの?」 すると翼はリコを見る。 「う、うん…」 そしてまた泣き出す。 「とりあえず話聞くから中入って…ね?」 リコがそう言うと翼はリコから離れる。 結月はホッとした顔をする。 そして…少しすると翼は落ち着きを取り戻した。 三人はリビングのソファーで話し始めた。
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