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「おっかねーだろツナばあ…」 結月はそう言って苦笑いする。 「うん、けど…優しい人だね。」 「あぁ。」 二人は笑う。 ホント…御祖母様によく似てる。 姉妹の様に幼馴染として育ったからかなぁ? リコはそんな事を思っていた。 すると病室のドアがノックされる。 リコと結月は顔を見合わせ首を傾げる。 「はい?」 結月がそう言うと病室のドアが開き龍之介が入って来る。 「龍…」 結月とリコは驚く。 龍之介は何も言わず、ただ頭を下げ始めた。 リコと結月は一層、驚く。 「お、おい…なんだよ?」 結月がそう言うと龍之介は頭を下げたまま口を開いた。 「悪かった…リコちゃん、結月…。 おふくろが巻き込んじまって。 本当に悪かった…。」 龍之介がそう言うとリコは言う。 「龍之介さん!顔を上げてよー。 私が勝手にした事であって… ホントやめてください。 ね?ユヅ……」 「あぁ。龍…やめろって。頭上げろよ。」 結月がそう言うと龍之介は中々、頭を上げようとしない。 そこへ翼と悠も入って来る。 翼はいつものノリで龍之介の肩を抱く。 「龍くん…ほら言ったじゃん。 結月もリコちゃんも困ってるよ?」 翼がそういつもの様に言うと龍之介は少し肩が揺れ出す。 皆は龍之介が泣いているのが解った。 「昨夜さ…リコちゃんの処置中… 龍之介と話したんだ。ね?」 悠がそう言うと翼は笑って頷く。 「龍ったら…おふくろさんがヤバイ事に 関わってるって予感して俺らに迷惑 掛けることになるからって、それで あんな事言ったんだってさ。 全く…失礼しちゃうんだから。 俺らそんなやわじゃないっての。ねぇ?」 翼がそう言うと結月とリコは龍之介の本心が解りホッとした様な切ない様な何とも言えない顔をする。
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