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その日の夜… 病室に結月は泊まる事にしてリコと結月は話をしている。 「ホントよかったね。 龍之介さんと解り合えて。」 「あぁ。龍之介もおふくろさんと ちゃんと話するって言ってたよ。」 「そっか。おばさん、きっと 龍之介さんの事おばさんなりに 大事に想ってると思う。 だけど…色んな感情が邪魔して 素直になれないのかなぁと 思うんだよねぇ…。」 リコがそう言うと結月はソファーで仰向けになりながらリコの話を聞いている。 「なんとなく解る気がする。 俺もおふくろには 素直になれなかったしな。」 結月はそう言って笑う。 リコはベッドからそんな結月を優しく見つめる。 「ユヅ…それ私もだな。」 「ん?」 「私もお父さんとの事素直になれなかった。」 リコがそう言うと結月も笑う。 「なんだ、みんな同じだな。揃いも揃って ホント似た者同士って言うかなんつーか。 あ、悠も…かな…。」 結月はそう言って笑うとリコも笑う。 「そうかもね。」 二人は笑う。 「類は友を呼ぶって言うけど… まさにそうだな。」 「ホント…。抱えているそれぞれの 問題なんて知らなくても何かこう 伝わるものがあって一緒に居たのかな ユヅ逹…。そう思うと何だか不思議だね。」 「まぁな。俺もおまえのおかげで胸の 支えがとれたし…人との出会いには 必ず意味があるって思う。 そんな出会いをくれた神様に 今は素直に感謝してる。」 結月がそう言うとリコは少し照れて笑う。 「ねぇユヅ…最近クサイよ。 言うこと…。」 「な!なんだよ、おまえまで! 今いい事言ってる時に 茶化すか?ふつー。」 「ごめん、ごめん…」 リコがそう言うと結月はふて腐れる。 「俺は寝る!じゃーな。」 「ユヅ…ごめん…て!」 リコは笑っている。 結月は布団を被りリコに背中を向ける。 リコは笑っている。 ごめん…ユヅ…。 私はいつもユヅに言われて嬉しい事があると何だか気恥ずかしくて素直になれず今みたいに茶化しちゃうんだ。 ユヅ…私も思ってるよ。 ユヅとの出会いをくれた神様にめちゃくちゃ感謝してる。 リコはそんな事を思いながら結月のふて寝した背中を見つめている。
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