離別

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翌朝… リコは一人、響に言われた通りに 渋谷駅まで辿り着いた。 何処だよ?あいつ… まさかバイトって… 買収紛いな危ないやつぢゃ! リコは行き交う人々がみんな怪しく見えて来てしまう。 帰ろ……! ユヅにフラれて…その上、体まで 売られたら…流石にバカすぎるもん! リコはそう思い駅の中へと歩き出そうとすると背後から襟元を掴まれリコはハッとする。 なに……?! 「おい、逃げる気か?」 リコはその声にハッとして振り返る。 昨日の男!! 「あ、あのね、やっぱり私… 普通に弁償しようかなって…」 「は?」 響は冷たい視線を送る。 「だから体まで売られたら私…! ほんっとに立ち直れなくなるから。 男にもフラれて体までなんて……」 リコがそう少し声を大きく出すと 響は驚いた後、呆れた顔をする。 「あんたアホ?誰があんたの 体なんて売るっつった?」 「へ?」 「大体…売った所で誰が買うんだよ?」 響がそう嫌味を言った後リコは笑いだしホッとした顔をする。 「ハハハ!そうだよね? やだ私ったら!ハハハ…!」 リコが笑って居ると響は首を傾げている。 「こいつ…バカか?」 響は小さく呟く。 「それでバイトって?」 リコがそう言うと響はリコを見る。 「スタジオ近くだから…」 「スタジオ?」 リコは首を傾げながらも響の後を追う。
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