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響に連れて来られた場所はだだっ広く埃臭いスタジオの名残がある様な部屋だった。
「此処は?」
リコがそう訪ねると響は窓を開けながら言う。
「今は出入りがないから大分
汚れちまってるけど…
此処はスタジオなんだ。
写真編集したり…」
「写真?」
リコがそう反応すると響はリコを見る。
「なにあんた写真興味あんの?」
「いや…そういう訳じゃ…
私の場合その受け売り…かな?」
リコがそう笑うと響は、なるほど…っという顔をする。
「男の趣味だったって話だろ?
まぁ俺もそんな感じ。
実際はやらないけど、その人を
尊敬してるから手伝いたいって
それだけでさ。」
「ふぅーん。」
リコは感心している。
「呑気にしてる暇ないよ。
今日中に全部掃除して
作業しやすくしといて。」
「全部?今日中に?」
「あー。」
「無理だよ!私…今日夕方には
群馬帰るし…一人でなんて…」
「あんた東京じゃないわけ?」
「うん。今はね…」
「仕方ないな。ハイスピードで
頑張ってくれ。」
「ちょっとー!無理だよ!」
リコは出ていく準備をしている響の後を何やら言いながら着いて回っている。
「頼んだ。俺はもう行く。
何かあったら連絡して。じゃ…」
響はリコが一人何かを訴えて居るのに足早に出て行ってしまう。
「だから私一人じゃ…」
リコは閉まったドアの音でやっと黙り混む。
なんなんだ…全く………
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