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「なぁ結月!」
花火の音に負けない様に翼がそう大きく叫ぶ。
「ん?なんだよ?」
結月も翼へと叫ぶ。
「赤ちゃんの名前、もう決まったの?」
翼がそう言うと結月は笑う。
「まぁいくつか候補は…ある!」
「え!初耳!」
リコはそう呟き結月を見る。
「なになに?教えてよー!」
翼がそう言うと結月は笑う。
皆は結月に注目する。
「まぁ…ヒントはだなぁ……
俺が月だから……って感じかな。」
「はぁ?」
皆は首を傾げる。
「ゆづきの月!」
皆はまだ良く分からないという顔をしている。
「あーもー!だから~俺が月なら
こいつは星だ!」
結月はそう言ってリコのお腹に触れながら言う。
「星~~?!」
翼達は考え出す。
「まぁ…星に男と書いてホシオとか?
いいかなって…」
「え?!ヤダ…何それ…」
リコは顔を歪める。
皆も呆れた様に笑い出す。
「なんで…星男…!宇佐美星男!
かっこいいじゃんか渋くて。」
結月はそう言って笑う。
「やだやだ、絶対!」
リコはそう言って必死に訴えている。
そんな二人を皆は笑って見つめている。
この日の夜みんなで見た花火がそれはそれは美しくて楽しくて…私にとって一生もんの宝物になった。
そして…この日、ふと見たユヅの横顔にきらっと光るものを見た…。
頬を伝うユヅの涙は花火の明かりと共に時々きらっと光って…とてもとても美しかった。
リコは、みんなと笑いながら打ち上がる花火を見上げる結月の横顔を隣でそっと見つめている。
微笑む結月の頬にはきらっと涙が伝っている…。
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