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その頃…
結月は実家である今はひばりだけが住んでいる豪邸まで来ていた。
二人には重い空気が漂っている。
「結月…ゆうべは人も居たし
詳しくは聞けなかったが…
どうしてリコは先に帰った?」
ひばりにそう訪ねられても結月は思い詰めた顔をし答えようとしない。
そんな結月を見兼ねたひばりは少し声を張り上げる。
「結月!答えられない様な何かが
二人に起きたのか?」
結月は覚悟を決めた顔をしひばりを見る。
「御祖母様…俺…リコと別れたんです。」
「な、なんだと?」
ひばりは声にならない様な声を出し驚いた様に結月を見つめている。
「俺は……リコを裏切ったんです。」
結月がそう言うと、ひばりはまた驚いた様に結月を見る。
「どういう事なんだ?えー?
解るように説明しなさい!」
「アフリカで知り合った女と
付き合う事になった。
それだけです。
もう失礼します!」
結月はそう言って足早にドアへと歩き出す。
「待ちなさい!結月!」
そんなひばりの声にも足を止める事なく結月は部屋を出て行ってしまう。
ひばりは閉まったドアを見つめ、ただただ唖然としている。
部屋を出た結月はドアを背に、やりきれない様な苦痛な顔をし歩き出した。
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