「 LOVE 」

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結月は走ってタクシーを捕まえる。 リコ… リコ… 今、行くからな! その頃…リコはベッドの上で陣痛の痛みに耐えている。 小百合は側で腰をさすってやっている。 「リコちゃん…がんばって~大丈夫よ。 後、少し…」 ナツは時計の針をじっと見ている。 「よし、五分間隔だな…もう一度 子宮口の開き見てみよう。」 ナツはそう言ってリコの足の方へ行き診察する。 「よし、9センチ開いてる! 分娩室に移動だ。」 その頃、結月はタクシーで助産院の近くまでは来て居たが渋滞にはまってしまっている。 結月はヤキモキしたように後部座席に居る。 「すみません、此処で降ります!」 結月はそう言ってタクシーから降りる。 助産院では、リコが分娩台に乗って息んでいた。 「リコ、そうだそう。息めーー!」 「ん~~~~~~!!」 リコは必死に息んでいる。 「はぁ……痛…ぃ…」 リコは少し弱音を吐く。 「うん、痛いよね~でも頑張ろうリコちゃん…」 優子はリコの肩を優しくさする。 「ほれ、リコもう一回、息むぞ~~!」 リコは汗だくでまた息みだす。 「そうそう、そうだ。」 しかしリコはすぐに力を抜く。 「リコ…もう少し長く息むんだ。 ほれ、頑張れ…」 ナツがそう言うとリコは泣きそうになりながらも頷く。 あぁ…痛い… なんか心細い… 痛いよ… って、しっかりしろ!リコ…! お母さんなんだから… しっかりしろ!! だけど…こわいよ… ユヅ… リコがそんな事を思っていると結月が走り込んで来てリコの手を握る。 リコはハッとし結月を見る。 「リコ!遅くなってごめんな。 大丈夫だ、さぁ…一緒に頑張ろう!」 結月がそう優しく笑ってリコに言うとリコはホッとして涙を浮かべる。 「よし、結月も来たぞ。リコ…がんばれ!」 リコは頷く。 そして…リコはまた息む。 「んーーーー!!」 「リコ、がんばれ!」 息みながら私はナツさんや優子さん、そして…ユヅの私を励ます声を聞きながら何とか最後の力を振り絞った。 「よーし!頭が出て来たぞ! リコ…もう力入れずに息を吐くんだ。」 「リコちゃん、ハッハッハッ…って…」 リコは優子に言われた通り優子の呼吸に合わせる。 「ほら、出て来たぞ~~!」 ナツがそう言うと次の瞬間、産声が響き渡る。 結月は感激し涙をこぼす。 リコもホッとした様に微笑みながら泣いている。
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