「 LOVE 」

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「わりー。待たせて…」 「いえ…。」 二人は荷物を車に運んでいる。 そこへナツがやって来る。 「結月…」 「あ、ツナばぁ!」 結月はナツへと駆け寄る。 「ツナばぁ…いや、ナツ… 世話になったな。」 結月がそう言うとナツは笑う。 「こちらこそ、ひばりが支え築いた あの宇佐美家の…ご子息を三代に渡り 取り上げさせてもらった事誇りに思うよ。」 「ナツ…」 ツナは優しく笑う。 「結月、しっかりリコを支えてやれよ。 また待ってるから…」 「え?」 「リコは若いが根性のある女だ。 二人も三人もじゃんじゃん産める子だ。 だから待ってるから…な?」 ナツはそう言って笑う。 結月は顔を赤らめる。 そこへ、赤ん坊を抱いたリコと小百合と優子がやって来る。 「ぉ、来たか…」 ナツはそう言ってリコ達を見る。 「よし、リコ…また一カ月後 健診でな。こちらから伺うからな。」 「はい、お願いします。」 ナツは笑う。 「あ、まだ無理しちゃいかんぞ? リコは里帰りはしないんだったな?」 「はい…父しか居ないし父も お店をやっているので…。」 「そうだったな。そう言えば 今の私の母親は小百合お母様しか 居ないとそう…言っていたな。」 ナツがそう言って笑うと小百合は感動した様にリコを見る。 「ぇ…リコちゃん…」 リコは照れ臭そうに小百合を見つめ返す。 「そうだ小百合、大丈夫なのかい? 久々の赤ん坊の世話に…しかも おまえが家事の手伝いだぞ?」 ナツがそう意地悪げに言うと小百合は屈しずに笑う。 「そうなのよね~~!ほーんと久々! けど!今から楽しみで仕方ないのよ? あ、結月、私…今日から泊まり込むからね。」 「え!マジかよ!」 「うん、さっきリコちゃんが 泊まってくれた方が安心って 言うからさ~~。ね~~? リッコちゃん?」 小百合はそう言って少し甲高い若ぶった声でリコを見る。 「はいっ!」 リコもそう言ってにっこり笑う。 結月は顔を引きつらせている。 「ぁ…料理の方は私もたまに出向いて 作るから……」 真木がそう言うと結月は泣きそうになり真木の手を握る。 「ありがとな、親父…お、俺もなるべく 早く帰る様にする…!」 真木は苦笑いしながら頷く。 「ちょっとそこの二人?! なに二人してコソコソしてるわけ?」 小百合は二人を少し睨む。
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