離別

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リコはスタジオで掃除を始めていた。 「ホントにこんな所が スタジオになるのかな? あー埃臭い!ゲホッ!」 リコは埃に咳き込みながら片付けている。 でも、なんかこうして 体動かしてると余計な事 考えなくていいかも! よし!気合い入れてやるかなぁ! リコはそんな事を思うと立ち上がる。 「よーし!見てろよ!あの生意気男!」 リコはそう叫ぶと足を出した拍子に水の入ったバケツを倒してしまう。 「あ………」 リコはへこむが袖を捲り出し気合いを入れ直す。 その頃…悠は母親の咲子と出掛けていた。 悠と咲子はデパートを出て歩いている。 「悠さんとこうして 買い物するなんて初めてね? 私、嬉しいわ。ありがとね。」 悠は優しく笑い首を振る。 「母さん…父さんの 墓参り行くでしょ?」 「うん。」 咲子は微笑む。 そして悠と咲子は墓の前で話をしている。 「ねぇ悠さん…今日何時に経つの?」 「んー夕方かな?リコも 用があるって言ってたし… 具体的には決まってないかな。」 「急がないならリコちゃんも 呼んで夕飯食べて行かない? またしばらく会えなくなるし 今日ぐらい、ゆっくり話がしたいわ。」 「そうだね。リコに聞いてみるよ。」 「うん。聞いてみて。」 咲子はそう言うと微笑む。
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