離別

16/19
7105人が本棚に入れています
本棚に追加
/387ページ
陽が沈みかけた頃リコは掃除を終え額の汗を拭う。 「我ながら綺麗になったなぁ!」 リコがそう呟くとドアが開かれる。 開かれたドアから響が入って来る。 「うわ!スゲー! ここまでやってくれるとは…」 「エッヘン!」 リコはそう得意気に笑う。 「よし!助かったわ。 もう帰っていいよ。」 「わーい!じゃぁね! お疲れした!」 リコはそう言って上着を羽織り出す。 響は窓を閉めている。 すると背後からバタッと倒れる様な音がして振り返る。 響は驚く。 リコが倒れているのだ。 響は慌ててリコへと駆け付け抱き起こす。 「おい!しっかりしろ!どーした?」 リコはうっすら目を開けて響を見る。 そして力の入らない声を出す。 「お腹が…」 「腹?腹がどした?」 「お腹が…減って…動けな…い…」 「……!?」 リコはパタッと力をなくし目を閉じる。 「おい!」 響は呆れた顔をする。 「なんなんだ…この女…」
/387ページ

最初のコメントを投稿しよう!