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リコは来た道をあちこち見て手帳を捜している。
あれ~?
確か、この辺で落としたはずなのに。
誰かに拾われちゃったかなぁ?
リコがそんな事を考えて居ると背後から声を掛けられる。
「何してんの?あんた…」
リコはハッとして振り返る。
そこに立っていたのは響だった。
「あ!落とし物…しちゃって…」
「どんくせぇ。何落としたんだよ?」
「手帳…」
「手帳?らしくないな。」
「な!なんでよ?」
リコはそう少しむきになる。
「どんなやつ?」
響はそう言って探し始める。
「ぁ…いいよ。大丈夫だから。」
「いいよ。あんたあれだけ綺麗に
片付けてくれたし。
俺のせいで無くしたなんて
後で言われても困るし。」
「いや、言わないけどさ…」
「ほら、とっとと探すぞ。」
「ぁ…うん。」
リコはそう言って地面に視線を落として探し出す。
その頃、結月は神崎と電話で話をしながらリコが片付けたスタジオに居た。
「どうだ?ちゃんと片付けられてるか?」
「えー。綺麗ですよ。」
「響のやつ張り切ったな。」
「響?」
「あぁ。ガキの頃から俺になぜか、
なついて来て可愛いやつなんだよ。
茜の幼なじみでな。」
「へぇ~。神崎さん面倒見いいから。」
結月がそう言うと神崎は笑い声を漏らす。
「じゃぁそこで作業進めてくれ。
好きなように使っていいから。」
「はい。ありがとうございます。」
結月は電話を切り辺りを見回す。
そしてリコと響は近くのカフェに入った。
リコは見つかった手帳を嬉そうに見つめている。
それを見ていた響は口を開く。
「そんなに大事なもんなわけ?」
「まぁね。」
「もしかして日記とか付けてたりして?
柄じゃねぇ。」
響は笑い出す。
するとリコは膨れっ面になる。
「べつに日記とか書いてないし!
それに書いてたっていいじゃん!」
「ハハハ!まぁいいんじゃね?」
響は笑っている。
なんなの?失礼なやつ!!
リコは膨れながらストローを啜りアイスティーを飲む。
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