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「……て、感動する前に、牧場行かなきゃ……」
カバンから、地図を取り出して現在地を調べる。
「……ん~……こっちか?」
地図を見ながら、牧場を目指す日野。地図で確認すると町外れにあることがわかる。
──移動中──
日野は何とか牧場についた。
しかし──
「……荒れ放題だな……」
──牧場とは名ばかりだった。
土には大きい石や、切り株等が散乱していた。看板も、元は『ほのぼの牧場』とあったのだろうが、今ではボロボロだ。
幸いな事に、家は綺麗だったが……
「とりあえず、荷物確認しなきゃな……」
家に入り、荷物を確認した日野は、町長に会いにいくようだ。どうやら、牧場からはそう遠くない様子。
町外れにある牧場ではあるが、意外と町から近かった。
──移動中──
コンコンっと乾いた音が、ノックした扉から響く。
「はい、どちら様ですか~」
何とも気の抜けた声と共に、一人の男が扉から出てきた。
「すいません、町長。この度、こちらに引っ越してきた、日野 松陰です」
日野は父から預かっていたお土産を渡しながら挨拶した。
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