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「おぉ、日野くんか!!いやぁ~久しぶりだねぇ~!!!」
町長はいきなり日野の手をとり、握った。
「へ?」
勿論、日野は着いていけていない。何が何やらさっぱり……とでも言いたい顔だ。
「ん?もしかして、覚えてないかい?」
「?何がですか?」
突然の質問だが、よく意図が分からない。
「昔、君がはここで生活してたことだよ」
町長は、え?マジで覚えてないの?みたいな顔で言った。
「…………」
流石に固まる日野。
「まぁ覚えてないならしょうがないかな……」
何故か遠い目をして、日野を見ていた町長。
しかしここで──
「ちょっと、父さん?まだ話してんの?」
白いワンピースを着た女の子が、家の中から現れた。髪は青色のロングだが、暑いからなのか、一つに纏めている。
「おぉすまんすまん。歌留多、こちらは今日こっちに来た日野くんだ。挨拶しなさい」
町長がかなり無理矢理自己紹介を促した。
「ん?日野?……まぁいいや……私は汐留 歌留多、よろしくね」
あまり口数が多い方ではないようで、何か冷たい印象がする声だ。
「日野 松陰です。よろしくお願いします」
そして、日野二人は挨拶を終えると、牧場に戻ろうとしたが……
「……腹減ったな……」
グルルルと、派手な音を鳴らすお腹。更には、何故かは知らないがその場に倒れこむ日野。
「駄目だ……腹減りすぎた……」
日野はその場で、倒れた。気絶してしまったようだ。
そこに……
「……松陰くん?」
……一つの影が現れた。
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