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私立セントニア学園。
この学園には多くの生徒が通っている。人びとが昔では超能力と言われた力を当たり前のように持つようになった近頃では、名門として世間に名を馳せていた。
舞台はその高等部へと移る。
生徒達が体育館で騒ぎながら授業を受けている。
力の実施訓練である。
「ルカ!いくわよ!!」
「ちょっと待ってー!」
ドーンッ。
女子の高い声とともに爆音が響いた。
沸き上がった煙の中から煤にまみれ、咳き込みながら転がり出てきた少女の姿に笑い声が起こる。
「またやってるよ」
「相変わらず力ねえのなぁ」
笑い声の中、その張本人、ルカ=リスキーは笑みをこぼしながら立ち上がった。笑われていることを嫌がる様子はない。
「もう、直前にいく、て言ったじゃないのよ」
煤を払うのを手伝ってくれながら話しかけてくる少女、サーヤ=クレアにルカはむくれたように目を向ける。
「そんなこと言ったって無理よー」
「そんなだから成績伸びないのよ」
呆れたように言葉を返すサーヤは肩を落とすと、訓練の成果を報告しにその場を離れた。
この少女ルカは、力がない落ちこぼれとして学園内でも有名だった。
力を使えることが当たり前であるこの学園の生徒達には結構な見ものであった。
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