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―『失礼します』―
俺は肩をびくつかせ咄嗟に手を引っ込めてしまった。
声と共に無遠慮に襖を開けたのは、悩みの種の片割れ。
金谷だった。
その後ろでは案内役兼見張り役の源さんこと井上源三郎が、申し訳無さそうな顔で立っている。
「なんだ。まだ処遇も決まっていない。無闇に部屋から出るな。斬るぞ」
俺は内心、何故か戸惑いながらも厳しく叱る。
他の者に見られ騒ぎにでもなれば面倒この上ないのだ。
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