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「金城さん、もういいですよ」
二人が見えなくなったのを確認してから、押し入れに向かって呼び掛けた。
「ふ―っ、ナズナさん元気そうでしたね。よかったあ」
這い出てきた金城さんは、ナズナさんがいたところを見ながら言う。
ナズナさんが元気ではないかもしれない、と思っていた原因は、松原さんの妻が亡くなったことだろう。
金城さんが何故知っているかは解らないが、兎に角心配していたようだ。
そして、心配しながらも、今からそのナズナさんを監視しなければならないのだ。
「昼からと思っていましたが、早まったようです。行きましょう」
私は気持ちを切り替え、金城さんを連れて屯所を後にした――
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