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「なっちゃん、買い物はすんだ? 」
「うん」
買い出しを終らせた松原とナズナは、賑わう街から屯所の方向へと引き返す。
京の風景はいつもと変わらないように見えるが、人の量だけは日に日に多くなっている。
全国から一旗あげようという志士達が政治の中心である京に集まり、人が増えれば商人も集まり、狭い京の道は人で埋め尽くされんばがりだ。
そんな中を二人は優雅にすり抜けて行き、やがて足を止めたのは、屯所ではなく河原だった。
ここは、いつかに二人が柔術の稽古をしようと約束した場所でもある。
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