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「言っておきますが彼も私も異人ではありません。竜也、コンタクト取って。」
俺の視線の意味が解ったのか女は違うと言う。
そして、たつやと呼ばれた男は女の指示に従ったのか何やら目の辺りに両手をやり下を向いた。
そして、男が顔を上げた。
目が、黒いではないか。
「何故目の色が変わった!」
俺は刀に手をやった。
理解出来ない。
もののけの類か?
「あー、これ。これを目に貼り付けて色を変えてたんです。お洒落として。驚かせてすみません」
男はそう言って俺に掌を見せてきた。
その上に乗っているのは青い、円い、薄く透けた小さなものだった。この美しい形状、どうやって作ったのだろう。
「もういいでしょうか」
その思考を平淡な口調で遮る女。
俺は気を取り直し、女を再度睨み付けた。
その視線を者ともせず、女は続けた。
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