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「買い物してるところ悪いけど、一緒に来てくれるかな?蓮が呼んでるんだよね。千絋君、君のことを。」
青年はニコニコしたままトマトを手にした俺の手を引いた。
トマト……早くカゴにいれたいんだけどな………
俺はトマトをじっと見つめる。一方で青年は俺のことをじっと見ているようだ。
痛いくらいの視線を目の前から感じるからだ。
「トマトに嫉妬しちゃうなぁ。こんなに可愛いとは思わなかったよ。千歳君のお兄さん。」
え……
なんで千歳の兄だって知ってるんだ……?
俺は驚いて青年の顔を見る。ニコニコと笑う顔はいわゆる美形というやつに近かった。ニコニコとしていた目が開かれる。
「なんで知ってるのって言いたげだね。だって僕は千歳君の知り合いだからさ。っていうかライバルかな。さっき会ってきたばかりなんだよね、実は。」
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