一つの願い

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ある課の男は今日はとても気分が良かった。 こんな日にいつものようにチートを得られると喜ぶ者を地獄にブチ込む作業を続ける気にはなれない。 確か今日は地球という星で世界的な祝い事があった気がする。たまには良いことをしようかという気分に男はなり、ある事を思い浮かべた。 「よし、適当な人間の願いうを一つだけ叶えてあげよう」 男はそう思うと穏やかな気分で、準備を開始する。 様式美という物は大切だ。地球にある男はランプを作り、ランプの魔人を作り上げた。 そしてこの魔人が呼び出した者の願いを一つだけ叶えられるようにすると、地球にその魔法のランプのような物を移転させた。 男は適当にランプを移転させたので、ランプが海底に沈む可能性は十分にあったが、運良くランプは日本の東京をいう都市の公園に出現し、地面を転がる。 もしこのランプを地球を滅ぼしたいか思っているトチ狂った者が拾っていればこの日地球は滅亡していたかもしれないが、まだ地球は滅びる運命にはなかったようだ。 公園に落ちていたランプは偶然そこを通りがかった高校生の少年に拾われ、少年はそのランプを見て首を傾げる。 「なんだこれ、ランプ?」 少年が呟いている間にランプから紫色の煙が立ち上り、そのキツい色の煙を見て少年は思わずランプを放り投げて後ずさる。 紫色の煙はやがて人型を形成し、少年の目の前に黒い鎧をのような物を纏った悪魔のような生き物が出現した。 「私はランプの精、名は船頭秀逸と言う。願いをいえ、一つだけ叶えてやろうじゃあないか」 少年の目の前でランプの精がふんぞり返りながらそう言うが、少年にはツッコミを入れれるだけの余裕はなく、尻餅をついたままズボンが汚れるのもおかまいなしにランプの精から離れていく。 「むぅ、驚くのも無理はない。私は寛大かつ優しいから君の精神を落ち着かせてあげよう、それと君のそのズボンの汚れも消してやる……後でクリーニング代は貰うがな」 ランプの精がそう言いながら不思議な力を発生させると少年の混乱していた心が落ち着き、ズボンの汚れが落ちるがまだ尻餅を着いているままだったのでまたズボンが汚れてしまった。
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