一つの願い

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少年はとりあえず落ち着き、ゆっくりと立ち上がりながらこの目の前の生き物先程の事から魔法っぽい物を使えるのだと理解できた。 「願いを叶える?願いは何でも良いんですか?」 「いや、願いを増やせとかは駄目とマニュアルに書いてあるから無理だ。 とりあえずこのマニュアル書を参考にしてくれ」 ランプの精が取り出した分厚い本を受け取りながら、少年はこれが夢ではないかと思い手の甲を抓るが痛かった。 「あのー、願いを叶える代わりに魂を戴くとか、代価が必要だったりします?」 マニュアルをパラパラと読んでいた少年はふとそう思い、ランプ精にそう問いかける。 「代価?ないよ、知らんけどね」 ランプの精は暇になったのか投げやりに答えながら、漫画を取り出して熟読している。 (一つだけ、か。不老不死、時間の操作、物を作り出す能力、迷うなぁ) 少年は案外厨二病に犯されていたらしい。 少年はその妄想力を遺憾なく発揮して、一般にチートと呼ばれる能力を思い浮かべていく。 「あ、少し考えたいんですけど」 「全くこれだからゆとりは」 魔人はそう言いながらもランプの中に戻り、少年はランプを持ち帰り家で叶える願いを考える事にした。
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