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「気を取り直して、キャッチャーやりたい人?」
光が保健室に搬送された後、友紀がメンバーを集めて言った。
光亡き今、誰かが代わりにキャッチャーをやらなければいけないのだが・・・
「・・・誰も居ないの?」
先程の惨劇を見た以上、キャッチャーをやりたいなんておもえる人間は居ない。
一応美沙にはちからをセーブするよう言ってあるが・・・
少なくとも俺はやりたくない。
「そう・・・なら、仕方ないわね」
友紀は伏し目がちになり息を吐くと、ゆっくりとバッターボックスの方へ歩いて行った。
まさか友紀の奴、キャッチャーをやるつもりなのか・・・?
確かに友紀は運動神経も良いが、それでも美沙の球を捕れるとは思えない。
一歩間違えば・・・死だ。
こうしてる間にも友紀はバッターボックスまで辿り着いてしまった。
無謀な事をしようとする友紀を止めるため、俺は走り出した。
友紀は相手のバッターを素通りして審判の前に立つ。足元にはキャッチャーミットが転がっていた。
間に合わない・・・!
そして友紀は審判に向かって堂々と言い放った!
「棄権します!」
「おいぃぃぃぃ!?」
思わぬ発言に俺はそれはもう芸人よろしくずっこけてしまった。
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