旨いモノには裏がある

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「こりゃ、こりゃ、ウマいな!絶品じゃ!一体、この食べ物には何の隠し味が入っておる?」 「いやあ……それは秘伝の隠し味でして……。」 「いやいや、わしとお前の仲じゃあないか……。だから、わしだけに教えてくれんかの?いやあ、絶対に口外はしないと約束するよ!」 「そこまで言うのでしたら、いいでしょう……約束ですよ。実はその……こちょこちょ……。」 「な、なぬ!? そうか……それは決して、言えぬ話じゃのう!うむ……約束だ……口外はせぬよ。」 「そうですか……それは安心しました。流石はわたしの信頼できるお方だ。」 ーーその翌日から、その店の隠し味は秘伝では無くなった……。 口外ではなく、秘伝の書として世に広く伝わったのである。 めでたし、めでたしーーなわけないか。 ・
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