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「全くを以てないのかい?今まで、嫌いなところが全く無かったわけかい?一つ位はあるだろう?」
俺は真剣に問い掛けたさ。
妻ははっきりとした口調を以てそれに答えたんだ。
「ええ、そうね……。あるわよ!」
俺は恐る恐る聞いたよ。
「それはどこだい……?
なんなら、そこを治すよう努力するからさ。
だから、遠慮しないで言っておくれよ。な?」
妻は毅然とした態度でこう答えたんだ。
「それは絶対に無理ね。」
俺は涙ながらにこう訴えたのさ。
「何故だい?努力するって、……だからさ、教えてくれよ……な?」
「いいわ、なら教えあげる。
全部よ!」
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