知らない人

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「真君」 コンコンと軽くノックされる。 「ご飯作っといたよ」 ドアが少しだけ開いて、背の高い綺麗な女性が隙間から顔を覗かせていた。 「ありがと。あ、伊織さん」 「なあに?」 「咲耶って人知ってる?」 伊織は、サクヤサクヤ…と呪文のように唱えた挙句、誰?と返されてこの話題は終了した。 やっぱり知らない人なのか。 「大昔っていつだよ」 輪廻転生ってやつ? 記憶に残ってないってことは、多分それほど重要な人物ではないのだろう、と勝手に結論付ける。
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