*いち

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  始業式なんて形だけで、校長のあいさつなどが手短に行われてすぐ解散。 教室に戻った俺たちは、HRでお決まりとも言える自己紹介をすることになった。 巡りめぐって次はゆっとんの番。 何て言うのかな、なんて、ガタッと立ち上がったゆっとんに期待の眼差しを向ける。 「山城由斗。元Cクラス。…あとは特にないかな、よろしく。」 …わぁ、なんとも適当な自己紹介だ。 そしてそのまましらっと座るゆっとん。 はっとして、慌てて交代で席を立った。 「…っと、元Cの遊佐ちひろです。あと、えっと…と、とりあえず仲良くして下さい!」ガタッ 言い切っていきおいよく座る。 回りがちょっと笑ってるのなんて気にしない! 特にゆっとんが肩まで震わしてるとか、俺見てないから! 何て思いながらも、ちょっと凹んでそのまま机に突っ伏した。 仕方ないじゃないか、自己紹介とか苦手だし。うん。 俺のそんな気持ちも気にせずたんたんと続く自己紹介、と思いきや女子4人目で流れが止まる。 「…おい、次のやつー。お前だぞ、浦和。」 しびれを切らした担任のその言葉に、俺も顔をあげる。 そして、その浦和って人が座っているであろう、俺の右前の席を見た。  
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