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始業式なんて形だけで、校長のあいさつなどが手短に行われてすぐ解散。
教室に戻った俺たちは、HRでお決まりとも言える自己紹介をすることになった。
巡りめぐって次はゆっとんの番。
何て言うのかな、なんて、ガタッと立ち上がったゆっとんに期待の眼差しを向ける。
「山城由斗。元Cクラス。…あとは特にないかな、よろしく。」
…わぁ、なんとも適当な自己紹介だ。
そしてそのまましらっと座るゆっとん。
はっとして、慌てて交代で席を立った。
「…っと、元Cの遊佐ちひろです。あと、えっと…と、とりあえず仲良くして下さい!」ガタッ
言い切っていきおいよく座る。
回りがちょっと笑ってるのなんて気にしない!
特にゆっとんが肩まで震わしてるとか、俺見てないから!
何て思いながらも、ちょっと凹んでそのまま机に突っ伏した。
仕方ないじゃないか、自己紹介とか苦手だし。うん。
俺のそんな気持ちも気にせずたんたんと続く自己紹介、と思いきや女子4人目で流れが止まる。
「…おい、次のやつー。お前だぞ、浦和。」
しびれを切らした担任のその言葉に、俺も顔をあげる。
そして、その浦和って人が座っているであろう、俺の右前の席を見た。
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